金しゃちビールで働く前、大型ビアレストランで店長として働いていました私Kはこれまでに何万杯以上、
500種類以上のビールを注いできました。その経験をこの場を借りてご紹介していこうと思います。
クラフトビールは昨今の多様性が流行を呼び、急速に認知が拡大しましたが「ビールの味わい方」は
まだまだ知らない方も多いのではないでしょうか。
ここでは「ビールを注ぐ」ことによる味わいの提案をしてみたいと思います。
初回は私の考える「注ぐ前に大切なこと」についての概要と、ビアレストラン時代、海外のお客様との
面白いエピソードを書いていきます。
・クラフトビールをより深く味わう「注ぎ方」とは
・ビールの種類(スタイル)によりサーブ温度を変える。
・グラスのクオリティを上げる。
・ビールに合ったグラスを選ぼう
・【番外編】いろいろな国のお客様から聞いたビール事情を知ってビールが美味しくなる?!
ビールは注ぎ方で変わる。という話、皆さん信じますか?最近ではクラフトビールが普及し、大手メーカーの参入も後押しして、ビールが深掘りされることも増えてきました。
それにより、ビールの注ぎ方やビールを注ぐアイテムなどもいろいろ取り上げられるようになりました。
結論から言えば、ビールは注ぎ方で全く違った飲みものになります。
しかし、【注ぎ方】だけでは美味しいビールは完成しないと私は考えています。
「ビールの注ぎ方」にはビールの種類、グラスの形状や状態(綺麗かどうか)など、いろいろな要素がかかわってきます。
ここではそれらも含めて「注ぎ方」の一部として紹介していきます。
大手メーカーのピルスナービールは「鮮度」を売りにしており、詰めてから早く飲むのが一番とよく宣伝していますね。
さらに、「キンキンに冷やして」、「泡を作る」などなど、推奨の注ぎ方も用意されています。
ピルスナービールはやはりしっかり冷やして飲むのが美味しい飲み方ですよね。
金しゃちビールのピルスナーは麦芽100%使用の「プレミアムビール」なので、この場合は少し上記よりも高めの温度で飲むのがお勧めです。(9℃推奨)
IPAのような高アルコールや色の濃いめのビールなどは少し高めの温度設定のものが多い傾向にあります。(すべてではないですが。金しゃちビールIPA、赤味噌ラガーなどは13℃推奨)
また、「製法によっても温度を変える」という提案も一般的です。ラガービールは低め、エールビールは高めなど。
普段ビールを飲むときに、グラスを気にしていますか??
普通なら、「お気に入りのグラスを毎日当たり前に食器棚から出して使う」というのが一般的ではないでしょうか。
実はこれ、美味しいビールに出会う大きなチャンスをいくつも逃している可能性があるんです!
え!?と思った方も多いのではないでしょうか。
「ビールをグラスに注いで飲む」には実はグラスのクオリティがとてつもなく大切です。
・ビールグラスは水滴の跡やほこりなどがそのままついてませんか?
・食器を洗うスポンジで洗っていませんか?
・食器棚から取り出してそのまま注いでいませんか?
上記の質問に一つでも「YES」とお答えになられた方、、、だいぶ損してます(涙)
ビールはとても繊細な飲み物なので、彼らが入るグラスの「居心地が悪い」と感じると、あっという間に機嫌を損ねてしまいます。
これらは今後、詳しく違うページで深掘りしていきたいと思います。
これに関しても前項と一緒で、お気に入りのグラスにどんなビールを入れてもお気に入りだから美味しいに決まっている!
これも大いに正解です!ビールを美味しく味わうために「気持ち」は大きなウエイトを占めますからね。
「だけど日常のビールをもっと美味しく味わいたいから、お気に入りのグラスへのこだわりを捨てる!」
と言っていただける方!
ご安心ください!
お気に入りのグラスを減らすどころか、少し増やすのがミッションです。
ビールには種類(スタイル)があります。
このスタイルに合わせたグラスをチョイスするだけで、どんなビールも驚くほど味わい深くなります!
いくつかの形状のグラスがあれば代用が効くので、それらも乞うご期待!
番外編となりますが、もう一つ、ビールを美味しくする要因はビールのいろいろな背景を知ることです。
前職は海外のビールを中心に250種類、観光地の出店が多かったので、海外のお客様や海外によく行かれる日本のお客様も
多く、いろいろなビールのエピソードを聞くことができました。ビールって、その背景や現地の現状を知ると味わい深くなるんですよね。
例えば、イギリス人の方が旅行でやってきた際、日本でよく言われる黄金比率でどや顔でビールをお出ししたときのこと。
そのお客様が言いました。(バリバリの英語だったので通訳してもらいました)
「おいおい、ビールに泡を入れるなよ!泡は詐欺だぞ!!」
少し笑いながらではありましたが、そこはサービスマン、並々注いで納得いただきましたが。。。(そっちが詐欺でしょ)
世界各国、ビールメーカーは専用のグラスを制作し、ビールとともに送ってきます。
ほとんどのビールグラスにはわざわざ泡の位置を指定するラインが引いてあります。
イギリスのブリュワリーのグラスには線がありませんでした。
その時、「イギリスはなみなみ注いで規定量なんだな~」と勝手に納得したのを覚えています。(すべてではないと思います)
他には、日本の方が中国のお友達をお家に招待した時のおはなし。
美味しいビールを振る舞うために、中国の「青島ビール」を当然のように冷蔵庫で冷やしたビールを提供したら
「なぜ冷やすんだ!?温めてくれ」と言われ、レンジで温めようとした。とのことでした。
これは少し変わった方の可能性もありますが、当の本人曰く、自分の周りではビールを冷やして飲まない。と
言われたそうです。
・・・ちなみに前述のイギリスの方にも「冷たすぎる」とおしかりをお𠮟りを受けました(汗)
ちょっとしたエピソードを知るだけで、ビールって味わい深く、美味しくなるから不思議ですね。
金しゃちビール工場長です!
確かにエピソードを知るのは大切だよね!少し補足してみたいと思います!
イギリスで「泡を入れない」と言えば、特に昔ながらのパブで飲むエールビール(特にリアルエール)が
この作法で提供していますよね。
ドイツではグラスに容量線(300ml、500ml、1Lなど)が必ず入っていてここまで
液面がないとクレームになることも!
とにかく言い出したらキリがないですね。
今回は焦らしてばかりの座学な記事になってしまいましたが、注ぎ方の極意は実は注ぐ前から始まっているということが
お分かりいただけたと思います。
ビールのコンディションやグラスのコンデションを整えて、形を選んで・・・。
あわよくばそのビールのエピソード等の情報も仕入れる。
次回からは注ぎ方を深掘りして、美味しいビールの味わい方の提案をしていきたいと思います。
次回もぜひご覧いただければ幸いです。
このページを是非ご紹介ください!!